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試写会「マイティ・ハート/愛と絆」 [映画]

11月6日(火)  今夜は、よみうり文化ホールでの試写会「マイティ・ハート/愛と絆」を観てきました。

この映画は、2002年1月、パキスタンの最大都市カラチで、ウォールストリート(WS)ジャーナルの特派員、ダニエル・パールが誘拐され、殺害された事件のドキュメンターです。同行していた妊娠5ヶ月の妻、マリアンヌの手記を見たブラッド・ビットが映画権を取得したもの。

マリアンヌとアンジェリーナ・ジョリーは、もともと親友同志であり、マリアンヌの依頼によりジョリーが引き受けたもの。黒人系のマリアンヌに出来るだけ似せるようメイクし、なり切った演技は、素晴らしかったですね。特に夫の死を知った時、自室に篭り、大声で泣き叫ぶ場面は、迫真の演技でした。

副題に、「愛と絆」とあります。夫を信じて捜索する妻との夫婦愛と絆だけでなく、ダニエルを救うために集合した、国・人種・言語・宗教の違う人々が一致団結して捜索する絆の強さも描いていると思います。

この映画をもっと深く味わうには、パキスタンを巡る情勢を理解する必要があります。ここでは、詳述は割愛しますが、よく分かるサイトを見つけましたので、最後に掲載します。興味のある方は、見て下さい。

●「マイティ・ハート/愛と絆」
2007年/アメリカ/108分
配給:UIP
日本公開:2007年11月23日
公式サイト:http://www.mh-movie.jp/top.html
監督:マイケル・ウィンターボトム
製作:ブラッド・ピットほか
原作:マリアンヌ・パール「マイティ・ハート、新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」
(原作者)

(キャスト)
・マリアンヌ・パール(アンジェリーナ・ジョリー)アフリカ系フランス人。5ヶ月の妊婦記者
・ダニエル・パール(ダン・ファターマン)ユダヤ系アメリカ人。通称ダニー。誘拐される記者
・アスラ(アーチー・パンジャビ)マリアンヌを励ます助手役の女性インド人記者
・ハビス(イルファン・カーン)パキスタンの対テロ組織のキャプテン
・ランダル(ウィル・パットン)アメリカ領事館員
・ジョン・バッシー(デニス・オハラ)ウォールストリートジャーナル同僚
・スティーヴ(ゲイリーウィルメス)ウォールストリートジャーナル同僚
・その他(ジラニ師、リチャード・リード、FBI、オマール)

(ストーリー)

アフガン戦争が一段落し、各メディアが帰った後も、ダニエルとマリアンヌはカラチに残って取材活動をしていた。2002年1月23日、最後の仕事として、ある人に逢うため、タクシーで外出した。妻マリアンヌには夕食には帰ってくるといって。

しかし遅くなっても帰ってこないので、心配したマリアンヌは携帯電話した。しかし圏外表示でつながらない。そこでダニエルのパソコンを調べ、人道主義者のジラニ師に会いに行ったのである。アルカイダと関係ある靴爆弾男リチャード・リードを調査するためであった。パソコンの電話番号は全部出鱈目だった。マリアンヌは米国領事館へ電話して捜索を依頼した。

1月24日、マリアンヌはダニエルの両親にも電話して現状を話す。マリアンヌは仏教徒であり、夫の安全のお経を唱える場面もあり。何時も傍にいるアスラの家に警察来て点検する。ダニエルがバジール(本名オマール)に逢ったことが判明。

1月25日、逗留しているアスラの家にパキスタンのテロ対策のキャプテンやWSの仲間や領事館員やFBIらの人々が集まり対策本部とした。ホワイト・ボードに人間関係・登場人物を書き出す。タクシーの運転手を特定し、ビレッジでダニエルが降りたことが判明。

1月27日、ダニエルはイスラエルの諜報機関モサドのスパイと新聞報道があった。またアスラがインド人であることから、インドのスパイの疑いも出た。
そして、犯人より写真メールが届く。ここでダニエルが誘拐されたことが事実となる。写真に不自然な所があるが、マリアンヌは手を見て、夫に間違いないという。そして、犯人は、ダニエルをCIA(アメリカ)のスパイといってきた。

1月29日、妻のマリアンヌは、夫のスパイ容疑を晴らすためテレビ出演する。「私は6日間眠っていませんが希望を持っています。私は彼を愛しています」。米国政府には24時間の期限付きでのジェット機等の要求があった。

1月31日、アメリカのブッシュ大統領やムシャラフ大統領もテレビで訴えた。そこに犯人よりメールがあり、ダニーの死体が安置所にあると。皆が死体を確認したが、歯に矯正器がついていたので、人違いと判明。マリアンヌはほっとする。

メールのヘッダーでの追跡も行なう。そして、ジラニの証言を得る。ダニエルに会ってないとのことである。ジラニを餌にダニエルを呼び出したのである。
電話番号を辿って、容疑者を73人に絞る。

ある日、対策本部に電話があり、仲間が皆出かけて行く。マリアンヌは不安になるが、アスラが慰める。警察本部で仲間が送られてきたビデオを見る。そこには、ダニエルが首を切られる残酷な映像があった。映画ではこの映像は映していない。(遺体は、10個に切り分けられていた)

この知らせを聞いたマリアンヌは、自室に篭り、泣き叫ぶ。それを聞く仲間の沈痛な表情。
その後、マリアンヌはテレビで、犯人を恨むでもなく「寛大な心」でもって出演した。

その後、マリアンヌは男児を生み、アダムと命名する。この名はダニエルが付けたものである。

最後は、その後捕まった犯人の現状を紹介している。現在マリアンヌは息子とパリで住んでいる。


外務省のパキスタン・サイト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/pakistan/index.html

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ダニエルがイスラエルのスパイやアメリカのスパイと間違われただけで、あんなに残忍な殺され方はない。もっと奥の深いナゾがある。例えば、核の問題があったのでは、という論調もありますね。

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○パキスタンの情勢・歴史
・1947年、イギリスより独立。
・1948年、第1次印パ戦争
・1956年、共和制移行
・1965年、第2次印パ戦争
・1971年、第3次印パ戦争。東パキスタンがバングラデシュとして独立
・1998年、インドと共に核保有国
・1999年、無血クーデターで、軍部のムシャラフが実権握る
・2001年、9.11同時多発テロの報復として米国が10月7日アフガニスタン攻撃、これをムシャラフ大統領は支持表明。
・2007年11月3日、ムシャラフ大統領が非常事態と憲法停止を宣言

○パキスタン記述の参考サイト
http://tanakanews.com/b1003pakistan.htm
http://tanakanews.com/b1010pakistan.htm
http://tanakanews.com/c0610pakistan.htm


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コメント 8

collet

観たいです!この映画!観に行きます!!
この映画のことは知ってたのですが、内容は知りませんでした。
こちらで知り、俄然、観たくなりました!ありがとうございます!
今朝もパキスタン情勢のニュースを聞き、気になっていました。
あれじゃあ、独裁主義国家とかわりませんね・・・
by collet (2007-11-08 11:52) 

たいちさん

colletさん、 niceとコメント有難うございます。
パキスタンを巡る情勢を知らなくても、この映画は素晴らしいですが、諸情勢を知ることによって、もっと深いものを感じさせますね。
by たいちさん (2007-11-08 22:03) 

たいちさん

xml_xslさん、 nice有難うございます。
by たいちさん (2007-11-09 10:35) 

たいちさん

pianoさん、 nice有難うございます。
by たいちさん (2007-11-09 10:36) 

江戸うっどスキー

なんとも、やるせないですね。
この手の犯罪は無くなる事がないのかと思うと、居た堪れないです。
公開されたら、観てみたいです。
by 江戸うっどスキー (2007-11-10 15:32) 

たいちさん

江戸うっどスキーさん、 niceとコメント有難うございます。
出来たらパキスタン情勢をよく調べてから、見た方が奥深く面白いと思いますよ。
by たいちさん (2007-11-11 09:42) 

naonao

インドのラダック地方の帰り道、空路はブッキングがいっぱいで取れず、また開いていた軍用道路でマナリ経由の道は雪が降って閉ざされてしまったので、泣く泣くドンパチやってるカシミールを通ってきたこともありますが、幸い休戦となって無事通ってきました。インドのカシミールに住んでる人たちがインドでなくパキスタン側になりたいと言ってた言葉を思い出したり、「これからインドに行く」と言ったらおもむろにパキスタンの人たちが嫌な顔をして「インドなんか行かずにもっとパキスタンにいろ」と言ったことなど、たいちさんのまとめたこのパキスタンの歴史を見て思い出しました。
by naonao (2007-11-12 22:19) 

たいちさん

naonaoさん、 niceとコメント有難うございます。
インドとパキスタンは、ほんとに仲悪いですね。両国とも核を向け合っているのですもの。それだけ宗教の力は恐ろしいということですね。naonaoさんは、良い経験をされたと思います。
by たいちさん (2007-11-12 22:44) 

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