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「文楽」平成24年初春公演 [観劇・コンサート]

2月5日(日)       1月14日に、国立文楽劇場へ行き、初春公演を観劇してきました。
劇場内で販売されているプログラムの挨拶文の中に面白い表現がありましたので、抜粋して紹介します。
【作家・いしいしんじ氏が初めて文楽を観た時の心情】
右隅の屏風がくるりと回転し、いい年をした男性が二人正座して現れます。右の男性は三味線をとり、左の男性は、なにやら捧げ持つ仕種をしたあと、勉強机のようなものに向き直り、三味線が鳴るや、喉の奥に雷を飼っているような声で唸り始め、すると舞台上手から女人形があらわれた。ただの人形ではない、顔を隠した忍者二人、その首領のような老成した顔の男性が一人、人形の後ろに立ち、表情ひとつ変えず、旋盤工のような無駄のない動きで人形を操る。・・・・・・(省略)

↓初春公演には、例年通り、近くの黒門市場から本物の「にらみ鯛」が運ばれ、ロビーに飾られています。
文楽2.jpg

↓また、舞台上部にも縁起物として「にらみ鯛」と「凧」が掲げられています。「凧」の文字は壺阪寺の常磐勝範住職の揮毫です。
文楽3.jpg

◎国立文楽劇場
住所:大阪市中央区日本橋1-12-10
電話:06-6212-2531
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html
黒川紀章の設計で、1984年に開館。
↓国立文楽劇場の外観
文楽1.jpg

初春公演の期間:1月3日から1月24日(1月14日から昼夜入替)
近年は、舞台上部に字幕が表示されますので、理解しやすくなりました。もちろん従来通りのイヤホンガイドもあります。使用料は650円です。
文楽.jpg

●人形浄瑠璃「文楽」平成24年・初春公演(夜の部)国立劇場開場45周年記念

◎七福神宝の入舩(しちふくじん たからの いりふね)
【あらすじ】初日の出を拝む船上で、七福神が酒宴を開催。一人ずつ芸を披露する。寿老人は三味線で琴の音を聞かせる。布袋は謡に合わせて腹鼓を披露。大黒天は胡弓を披露。弁財天は琵琶を弾く。福禄寿は長い頭の上に獅子頭を乗せ角兵衛獅子を真似る。恵比須が太鼓のつもりで釣竿で船端しを叩く。7人目の毘沙門は三味線を披露。お正月に相応しいおめでたい七福神の宝船の演目です。
文楽・七福.jpg(写真はプログラムより)

◎菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅ てならいかがみ)
 竹田出雲・並木千柳・三好松洛・竹田小出雲の合作で五段の時代物。1746年8月大坂竹本座で初演。平安時代の学者・菅原道真(菅丞相)が大宰府配流されたことを題材。
人間国宝・吉田蓑助が桜丸で出演
文楽・菅原.jpg(写真はプログラムより)
●茶筅酒の段(豊竹松香大夫、竹澤團七)
●喧嘩の段(竹本文字久大夫、鶴澤清志郎)
●訴訟の段(竹本千歳大夫、鶴澤清友)
●桜丸切腹の段(人間国宝・竹本住大夫、野澤錦糸)
 菅丞相の領地に住む白太夫は松王丸・梅王丸・桜丸の三つ子の父親です。今日は3人の誕生日の宴。松王丸の女房千代、梅王丸の女房春、桜丸の女房八重が集まるが、肝心の3兄弟はまだ姿を見せない。白太夫は刻限が来たので庭先の梅、松、桜を息子に見立て膳を据え、八重を連れて氏神詣に出かけた。
 父が出かけた後、松王丸と梅王丸が現れる。先日の意趣もあり、喧嘩となり、揉み合う二人は庭先の桜の木を折ってしまう。
 神社から戻った白太夫に、梅王丸は菅丞相に仕えるため九州へ行きたい、松王丸は勘当を受けたいと申し出る。配流の菅丞相の安否が分からないので、松王丸の願いだけ聞き届けると言って、二組の夫婦を追出す。
 納戸に隠れていた桜丸が現れ、菅丞相失脚の原因を作った責任をとって切腹するという。父は氏神の籤の結果と折れた桜の木をみて、これも定めと覚悟を決める。父の念仏の中、桜丸は息絶える。夫の後を追おうとする八重を、様子を窺っていた梅王丸夫婦が留める。事後を梅王丸に託し、白太夫は菅丞相に仕えるため九州へ旅立つ。

◎卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどう むなぎのゆらい)
若竹笛躬、中邑阿契の合作で五段の時代物。1760年12月大坂豊竹座で初演。「祇園女御九重錦」という題で初演され、その後3段目の部分だけとり「卅三間堂棟由来」として演じられた。
人間国宝・吉田文雀が女房お柳で熱演。
●平太郎住家より木遣り音頭の段(豊竹睦大夫、野澤喜一朗)(竹本津駒大夫、人間国宝・鶴澤寛治)
文楽・三十三.jpg(写真はプログラムより)
平太郎が権現詣で不在の留守を守るのが妻のお柳と5歳の子・みどり丸。平太郎宅へ平忠盛家臣・進ノ蔵人が訪ねて来て、三十三間堂建立のため柳の大木を切ると伝える。柳の精であったお柳は驚く。柳の木が切られれば平太郎やみどり丸と別れなければならない。帰宅した平太郎にこの秘密をそれとなく告げるが、夫は寝入ってしまう。寝ている平太郎に自分の本性を告げ泣く、夫は声に目をさますが、お柳の姿は消える。捜す夫と子の前に再び現れたお柳は、形見として白河法皇の前世の髑髏を渡し消える。
平太郎はみどり丸にもう一度母親に会わせようと熊野権現に向う。賑やかな木遣り音頭の中、人夫達が切り倒した柳の大木を動かそうとしている。しかし大勢の人夫がかかっても大木は動かない。平太郎は妻が別れを惜しんでいると察し、みどり丸一人だけで引くように綱を渡す。みどり丸が引けば大木は動いた。みどり丸は「母様」と柳の木に縋り付く。(最大の見せ場、泣き所)夫と子に見送られながら母の柳は京都へ引かれていく。
三十三間堂の棟木に柳がなった。本堂には文楽の写真が掛かっているそうです。

◎文楽茶寮
場所:国立文楽劇場内
電話:06-6211-2202
http://bunraku-s.com/
幕間の30分間の食事を、劇場内唯一独占の「文楽茶寮」のレストランでとりました。
今回は、「七福神宝の入舩」終了後の16時35分から17時05分まででした。夕食としては、時間が早過ぎますね。また、場所がら内容からみてコストパフォーマンスは悪いですね。レストランは空いていて、多くの人は事前に弁当を持ち込んでいましたね。

↓「特製てんぷら茶そば、本わさび・御飯つき」1,700円
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↓「天丼」1,400円
文楽5.jpg

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◎今年のアニキは期待できる!

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コメント 11

k_iga

「にらみ鯛」というのは理解し難い風習ですね。

by k_iga (2012-02-05 07:43) 

たいちさん

k_igaさん、niceとコメント有難うございます。
「にらみ鯛」は京都発の縁起物の風習らしいですね。
by たいちさん (2012-02-05 10:12) 

たいちさん

★マチャさん、nice有難うございます。

★すーやんさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2012-02-05 10:14) 

降龍十八掌

私は競馬以外の観劇はしないので、縁がないですね。
なんで、タイと凧なんでしょう?関西では、凧(タコ)でなくてイカというのではないのですか?

金本の記事は悪い冗談とかしか思えないですね。引退しなかったんですね。
by 降龍十八掌 (2012-02-05 19:44) 

めぎ

文楽、いつか見てみたいです。
by めぎ (2012-02-05 20:28) 

たいちさん

降龍十八掌さん、niceとコメント有難うございます。
凧のことを関西で「イカ」という事は、恥ずかしながら知りませんでした。
金本兄貴に対するコメントは予想通りですね。
by たいちさん (2012-02-06 12:22) 

たいちさん

めぎさん、niceとコメント有難うございます。
大阪に来られたら、いつでも国立文楽劇場で観られますよ。
by たいちさん (2012-02-06 12:25) 

たいちさん

★nikiさん、nice有難うございます。

★comomonさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2012-02-06 12:26) 

たいちさん

non_0101さん、nice有難うございます。
by たいちさん (2012-02-06 22:11) 

たいちさん

かずのこさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2012-02-07 10:33) 

たいちさん

miopapaさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2012-02-08 13:24) 

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