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第7回千里よみうり市民寄席 [観劇・コンサート]

2月24日(木)      読売新聞の「わいず倶楽部」に応募し当選したので、寄席に行きました。

●第7回千里よみうり市民寄席
開催日:平成23年2月6日(日)14時~16時5分
場所:よみうり文化ホール
市民寄席.jpg

【演目】
・桂 三弥:「看板の一」
・林家 小染:「くっしゃみ講釈」
・桂 春団治:「親子茶屋」
  (中入り)
・露の 団六:「へっつい盗人」
・桂 小枝:「愛宕山」


◎看板の一(ピン)
 長屋の若者達が集まって「チョボイチ」をやっている。サイコロ1個を使って、出た目を当てる博打です。若者達は近所のご隠居(昔博打をやったという)を無理やり誘い込む。隠居は仕方なく、一度だけ、胴を取ることを条件で参加する。
隠居は、目も耳も遠うなったと言って、壺を振る。しかし、壺の横にサイがこぼれて「1」を出している。若者達はこれを注意せず、皆1(ピン)に張る。中には人から預った金まで張る。(絶対負けないので)。隠居は、勝負は壺の中と、若者達に念を押して、「1」のサイをつまんで懐へ入れる。若者達は慌てて騒ぐが、隠居は「これは看板じゃ」と涼しい顔。どんな商売でも表に看板を出すと。
隠居は「ワシの予想は、5だ」と言って壺を上げると、サイは「5」で総取りだった(2~6が出ても同じ。1が出れば何倍かにして返す)。しかし隠居は金をすべて返し、上には上があるので、博打を止める様戒めて帰る。
これに懲りて博打をしなくなる若者ではなく、この手法を違う賭場でやろうとして賭場へいく。大人達のいる賭場へ行き、今日は金を持っているので、一度だけ胴を取らせてくれと若者はいい、壺を振る。
壺の横にワザと「1」の目のサイを置き、若者は「最近は年のせいで目も耳も遠おくなった」と呟く。周りの大人達はあきれ顔で、それでも全員「1」に張る。若者は勝負は中と念を押して、表も「1」のサイを懐に入れ、これは看板だという。大人達は誰かに教わったのだろうと観念する。
若者は得意顔で「俺の予想では、中は5」といって壺を上げると、中のサイは「1」(ピン)だった。

◎くっしゃみ講釈
 久しぶりに帰ってきた男が先輩の男に言う。以前とあまり変わらないが、化け物屋敷の所が変わったと。講釈小屋が出来たのである。そして26歳になった男は、初めて女が出来たという。その女は小町娘である。男は娘を誘って薄暗い路地で逢引きをしていた。その時、腹痛で便所を探している講釈師が路地口に現れる。驚いた男女は塀にへばり付いて身を隠す。路地に入って来た講釈師は犬糞を雪駄で踏む。講釈師は犬糞の付いた雪駄を塀に塗りつける。ちょうど男の顔へ塗りつける。ギャーと3人は言って、娘も講釈師も逃げる。その後、糞を塗られる男には出世が望めないと、娘に逃げられる。
この仇を討ちたいと男は先輩に話す。講釈場へ乱入すれば営業妨害で罪になる。そこで、胡椒の粉をくすべてクシャミで講釈が出来ないようにすることを勧める。男は、八百屋へ胡椒の粉を二銭買いに行く。物覚えの悪い男なので、目安を教わる。それは覗きカラクリの「八百屋お七(ひち)」である。お七の相手の男は、駒込・吉祥寺「小姓(こしょう)の吉三」
男は、八百屋へ行き、手にした二銭を出して、アレくれと言う。商品名を忘れたのだ。そこで、男は覗きカラクリを一段、店先でやって、やっと胡椒の粉まで辿りつく。しかし、胡椒の粉は売切れであった。店主はワルサでクシャミさせるなら唐辛子の粉でも十分という。男は唐辛子の粉を買って先輩の元へ帰る。
男と先輩は、早い時間から講釈場へ行き、一番前に陣取り火鉢をもらう。例の講釈師が登場し、戦記物を語り始める。頃合いを見て、唐辛子の粉を火鉢にくすめて煙を講釈師に向ける。クシャミをしながら講釈するが、あまりにクシャミが出て、講釈が出来なくなったので、入場料を返すと客に詫びる。多くの客は気の毒に思い、黙って帰る。
ところが、この男二人ずれは、「講釈を聞きに来たので、クシャミを聴きにきたのでない」と尻をまくる。講釈師は二人の男に向かって、他の客は気の毒がってくれるのに、何か私に故障(こしょう)でもあったのか、と聞く。すると男は「唐辛子」と答える。

◎親子茶屋
 親旦那が道楽息子に説教する。しかし息子は糠に釘、こたえない。この親子の掛け合いが面白い。親旦那は、息子に「芸者ちゅう女子と親のどちらが大事じゃ」と問い詰めると、息子は親を愚弄する理由を並べて「女子です」と返事する。怒り爆発した親旦那は「勘当じゃ、出て行け」と叫ぶ。それを番頭が仲裁して、親旦那は気分直しにお寺に法話を聞きに行くことになった。
しかし、息子以上に遊び好きの親旦那は、難波新地の遊郭へ行く。馴染みの御茶屋に上がり、芸者・幇間を揚げて宴会。そしていつもの「狐釣り」をする。「狐釣り」とは、扇で目隠しして「釣ろよ、釣ろよ」と言いながら鬼ごっこのような古臭い遊びである。三味線太鼓を鳴らしての賑やかな舞台(演目)です。
一方、若旦那は反省どころか番頭をだまして難波新地へ行く。一度来た事がある茶屋の2階で、珍しい粋な遊びの「狐釣り」と見つけて、その茶屋へ入る。感心した若旦那は、女将に、その隠居と一緒に遊ばせてくれるよう頼む。女将のとりもちで「親狐」「子狐」で遊ぶ。親子は互いに何も知らずに目隠しして散々遊ぶ。遊び疲れて、双方扇を取れば、親子同士。「あ!・・・・お父っつぁん」、「倅!?打つ(博打)はいかんぞ」

「この華やかな落語。親旦那と若旦那の茶屋入りの場面の細かい演じ分けの違いや、芸者が体の左右で拍子をとりながら綺麗さ。女将が手拍子を取りながら階段を上がってゆき、途中で若旦那を引っ張り上げる場面での目線の使いや、仕ぐさの細かさ。また、その若旦那が狐釣りを踊りながら段々と階段を上がって来るシーンでの演じ方の細かさが、この作品を観客に非常に演劇的な立体感のある世界を想像させる要因となっている。」(豊田善敬著『桂春團治 はなしの世界』東方出版 1996年)
※桂春団治ならではの芸術性豊かな華やかな落語でした。

◎へっつい盗人
 間抜けな男が清八の家へ来る。近所の竹やんが宿替え(引越し)したので、二人でお祝い贈ろうという話。値が安く、手軽で、場ぁある物と言われて、男はカンナクズを俵へ詰める、婆さんがいるので棺桶等間抜けなこと言って叱られる。先日竹やんの嫁さんが「今度の家は、ヘッツイ(カマド)の具合が悪いと言ったことを思い出し、ヘッツイにする。ヘッツイは15円もする、二人で頭割りと言われ、男は「ワイが1円で清やんが14円」と間抜けたことを言う。一人前7円50銭と聞き、男は家賃4円が3ヶ月も溜まっているので無理と叫ぶ。清やんも懐事情は同じである。
丼池の道具屋にあることを思い出し、昼間ではなく、夜中に借りに行こうと、清やんが提案。道具屋のオッサン寝てる。寝てる人はそのまま寝ててもらう。そりゃ盗人!見つかったら二人で別荘(監獄)へ行こうと、男に言って日が暮れたら来いと帰す。
日が暮れてから、”ドンドンドン、清やん、ぼちぼち行こう、丼池の道具屋へ、ヘッツイさん盗みに”大声で怒鳴る男を清やんは叱って入れる。天秤棒と縄を用意し、お前が前棒、俺が後棒。重たい物を担いだつもりで、「ヨイヨイヨとサ」「ヨとサのヨイヨイ」と掛け声を教える。そして、夜の街へ出かける。
道具屋の前に来て、打ち合わせの通り、「一服しょう」という。竹垣の後ろにあるヘッツイを引き出すよう男は言われ、力一杯引くと、大きな音がした。竹と石灯籠が紐で括ってあったので、石灯籠の頭が落ちたのである。
清やん「ワシが(ヘッツイ)持ち上げるので、紐通せ」、男「暗くて、見え難い」、清やん「重いので下すから、手どけ」、男「痛ぁ!痛ぁ!」と大声を上げる。
男「そらワイはアホじゃ、でもアホのワシを連れてきたお前がアホか、ワシがアホか、この道具屋のオッサンを起こして聞こうか」

◎愛宕山 (Wikiより)
 一八と茂八は大阪ミナミをしくじって京都祇園で働く幇間。春先のこと、京都の旦那が「気候もいいので野駆け(ピクニック)をしよやないか」と発案したので、芸妓や舞妓、お茶屋の女将らとともに愛宕山へ登ることになった。

大阪には山がないから山登りは大変だろうとからかう旦那。一八は「大阪にも山はある」と真田山・茶臼山・天保山などの例を挙げるが「そんなものは地べたのデンボ(できもの)」と一蹴される。頭に来た一八「愛宕山なんて高いことおまへん、二つ重ねてケンケンで上がったる」と大言を吐く。旦那は「それならみんなの荷物も持って登って来い」と弁当などの荷物を全部二人に持たせて、その他の連中と共に先に登って行ってしまう。「大阪をしくじるんやなかった」と悔やむ幇間二人だが、みんなの荷物を持って後を追いかけた。が、慣れない山道にすぐに降参してしまう。

一同が揃ったところで弁当にしようと旦那が提案した。これだけでは物足りないから、と一八は茶店へ赴き、そこに「かわらけ」が多数積まれてあるのを発見する。このかわらけは酒や料理を入れるものではなく、願を掛けて崖の上から谷底の的に投げ込む遊び「かわらけ投げ」のためのものであった。

「天人の舞い」「お染久松比翼投げ」「獅子の洞入り」など多彩な技で次々にかわらけを的に投げ入れる旦那。一八は見よう見真似でチャレンジするが全く命中しない。挙句に「大阪の人間はかわらけみたいなしょうむないもン投げまへん、金貨銀貨を放って遊ぶ」と負け惜しみを叩く。すると旦那、「使えることがあったらと思て持ってきた」と、懐から昔の小判を20枚取り出したのである。一八がブリキにメッキだろうと言う、旦那は本物の慶長小判という。

谷底の的めがけて小判を投げ込んで、「これが本当の散財、胸がスッとした」と言った旦那に、「あの小判はどないなりまんねん。」と一八が尋ねる。「放ったんやから拾った人のもの」との答えに、一生懸命手を伸ばしたが当然届かない。茶店の婆さんに訊くと、的を仕替えに行く道があるにはあるが遠くて危険とのこと。諦めかけた一八だが、茶店に大きな傘が干してあったのを見つける。この傘を広げて飛び降りれば、一瞬で谷底へ降りられるかもしれない、そう思った一八は傘を奪って崖の上に戻ったが、怖くてなかなか飛び降りることができない。そこで「ちょっと背中を突いてやれ」と旦那から耳打ちされた茂八が背中を突いてやると、見事に一八は怪我もなく谷底へ着地した。

20枚の小判を拾い集め、「その小判はお前のものじゃ」と旦那に言われて喜ぶ一八。しかし次に「どうやって上がって来る?」と聞かれ困ってしまう。飛び降りることばかりに気が行って、上がって来ることは何も考えていなかったのだ。途方に暮れた一八は一計を案じる。

自身が着ていた長襦袢を裂いて縄を綯い、継ぎ足して長い絹糸の縄を完成させると、その先端に大きな石を結わえ、勢いをつけて谷の斜面に生える大きな竹の上部めがけて投げて縄を巻きつけた。そして力一杯竹を引っ張り、十分しならせて一つ地面を蹴ると、シュ~ッと旦那たちが待つ崖の上に着地。

「旦さん、ただいま」

「えらい男じゃ、上がって来た。で、慶長小判はブリキにメッキだ」

(※一般的には、小判を忘れて戻ってくるオチが普通です。)

※久しぶりに落語を聞きましたが、生はいいですね。また行きたくなりましたね。
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タグ:落語
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コメント 9

たいちさん

★おぉ!次郎さん、nice有難うございます。

★ほりけんさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2011-02-24 20:59) 

k_iga

落語はハマっちゃいそうで・・・。
CDやDVDの一気買いとか。

by k_iga (2011-02-25 01:43) 

降龍十八掌

愛宕山、最後のオチのところだけテレビで見たことあります。やっと話の筋が分かりました!
この愛宕山、新潟の地元にもあります。全国各地にある山の名前ですが、なぜこの字でアタゴと読むのかも不明ですね。
by 降龍十八掌 (2011-02-25 08:35) 

たいちさん

k_igaさん、niceとコメント有難うございます。
落語は日本の伝統的な文化(芸能)で、いいですよね。
by たいちさん (2011-02-25 10:35) 

たいちさん

すーやんさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2011-02-25 10:36) 

たいちさん

降龍十八掌さん、niceとコメント有難うございます。
さすが降龍さんらしい箇所に、興味をもたれますね。
by たいちさん (2011-02-25 10:38) 

naonao

落語いいですね。
久々にまた行きたいです。
by naonao (2011-02-25 21:24) 

たいちさん

GEN-sanさん、nice有難うございます。
by たいちさん (2011-02-25 23:23) 

たいちさん

naonaoさん、niceとコメント有難うございます。
生の落語を久しぶりに聞きました、良かったですね。
by たいちさん (2011-02-25 23:25) 

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