映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」 My Blueberry Nights [映画]
4月9日(水) 昨日は、109シネマズ箕面へ行き、妻の大好きなジュード・ロウ出演の映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」を観てきました。
この映画は第60回カンヌ国際映画祭のオープニング作品になり、高評価の映画です。監督は、恋愛映画の巨匠ウォン・カーウァイの初めての英語作品です。又主演には、グラミー賞8冠の歌姫「ノラ・ジョーンズ」が初主演としてのデビュー作です。また回りを囲むキャストには、豪華俳優が出演しており、名前を見ただけでも、映画を観たくなる作品です。
ウォン・カーウァイの作品を見るのは初めてですが、素晴らしい恋愛物を撮ると聞いていましたが、噂通りでしたね。心(特に女心)を酔わすような、幻想的な映像、洒落たセリフ、象徴的なカット、それに何と言っても効果的音楽ですね。
この映画のラストのキスシーンは、歴史に残るような名場面でしたね。妻は、心酔して満足して帰りましたね。
●「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
2007年/フランス・香港/95分
提供:ブロック2ピクチャーズ。 配給:アスミック・エース
日本公開:2008年3月22日
監督:ウォン・カーウェイ
(キャスト)
・エリザベス(ノラ・ジョーンズ)失恋してアメリカ横断の旅に出る。
・ジェレミー(ジュード・ロウ)カフェのオーナー。エリザベスに親切
・アーニー(デイヴィッド・ストラザーン)アル中の警察官。元妻に付き纏う
・スー・リン(レイチェル・ワイズ)アーニーの元妻。開放されたくアーニーより離れる
・レスリー(ナタリー・ポートマン)女ギャンブラー
(ストーリー)
ニューヨークでカフェを経営しるジェレミーは、注文の種類でお客を記憶している。この店へ最近出入するエリザベス。(彼氏がこの店の向かいのビルの2階に住んでいて、彼氏には新しい彼女ができた)
エリザベスは、彼氏の事をジェレミーに聞くと、ジェレミーは注文の品を言う。一人では食べきれない量である。ガールフレンドの分も注文したと知ったエリザベスは、彼氏の合鍵をジェレミーに渡し、「彼が捜しに来たら鍵を返して」と言う。(心の底では、捜しに来ることを望んで)。ジェレミーが何か伝言はと聞くと、「バカヤローと伝言して」と言って出て行く。
次の日も、このカフェへ来たエリザベスは、ジェレミーに「鍵を取りに来た?」と聞くが、返事は「まだ」であった。エリザベスはジェレミーに聞く、「彼女美しい?」と。ジェレミーは「一緒にはポークチップを食べたくない」と答える。(エリザベスはほっとする。何と洒落たセリフ)

(カフェのカウンターでパイを食べるエリザベス)
エリザベスは失恋の想いを断ち切れないでいる。誰かと話たくなっていた。ちょうどジェレミーが上手に聞いてくれた。
大きなガラス瓶の中に、沢山の鍵が入っていた。(エリザベスのように客から渡された鍵である。)捨てたら、ドアは永遠に閉じたままなので、捨てないとジェレミーは言う。
他の商品は、売り切れるがブルーベリー・パイだけは、売れ残ると差し出す。(実際はジェレミーがエリザベスの為に残している)。エリザベスは一切れ頂戴と言って食べる。
瓶の中の一つ一つの鍵の物語をジェレミーから聞く。その中に、ジェレミーの彼女の鍵もあった。

(ジェレミーが作るブルーベリー・パイ)
ジェレミーの彼女は、鍵を集めるのが趣味で、夕焼けを追って、彼の前から姿を消したとの事。エリザベスは「鍵を返して」と言って、鍵を受取り帰る。(彼の気持ちを再確認して、気持ちの整理の為)
ジェレミーのカフェでは防犯カメラがあり、これを調整中に客同士の喧嘩に巻き込まれ、鼻血を出す。
エリザベスも鼻血を出してカフェに入ってくる。エリザベスは治安の悪いブロンクスまで地下鉄で行ってしまい絡まれたと言う。(私は彼氏と喧嘩したと想像した)。「あなたは?」の問いに、ジェレミーは「チョコを食べ過ぎた」と答える。(粋な会話だと私は思いましたね)
ジェレミーはカメラは、見逃したことを見る、日記のようなものと言い、エリザベスに過去のフィルムを見せる。(多分、彼氏とガールフレンドが写っていたであろう)
これを観たエリザベスは、ワインを飲み、やけ食いをし、カウンターで居眠りをする。(この時、流れる失恋を思わせるやるせない音楽が効果的です)
寝ているエリザベスの唇の周りには、ケーキのクリームが着いている。ジェレミーは、そっとそれを舐め取ってやる。その後、エリザベスは鍵を残して消える。(最後に彼のいる窓を見上げて、彼女が一緒な所を確認して、長距離バスに乗る)
エリザベス(ベス)は、メンフィスの居酒屋で忙しく働いている。忙しさで彼のことが忘れられると思って。
酔っ払いのアーニーにベスは閉店の為、勘定書を渡す。今夜は最後の酒と分からぬ言葉をいう。

(警官の姿のアーニー)
ある日、アル中のアーニーが飲んでいる所へ、元妻のスー・リンが入ってくる。アーニーは纏わり着くがスー・リンは振り払って出て行く。外には新しい男が待っていた。
ベスは、アーニーに「酒を控えようと思ったことは」と聞く。アーニーは沢山のチップを出し、「俺は白いチップの王様だ」と呟く。(禁酒を破るごとに白いチップを施設から渡される。)アルコール依存症に白いチップなら、私の依存症はブルーベリー・パイとベスは思った。
一方、ジェレミーの元へは、最後の日から57日目、NYから1120マイルと書かれたベスからの手紙を受けとっていた。差出がメンフィスなので、ベスが働いていそうな店舗へ片っ端から電話したが捕まらない。ベスからの手紙には、近況が書かれていた。
居酒屋では、アーニーとスー・リンが言い争っている。「スー・リン、捨てないで。人生をやり直したい」とアーニーが訴えるが、スー・リンは受付ないで、出て行こうとする。すると、アーニーは銃をスー・リンに向ける。スー・リンは「終わったのよ」と言って、出て行く。アーニーは銃を撃てず、号泣する。(この場面に流れる音楽も優れ物でした)
(これからネタバレします。映画観る予定の人は読まないでね)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ネタバレです)
アーニーは、チップを全部捨ててくれと言い残して帰っていく。スリップ事故(交通)でアーニーは死亡した。(覚悟の自殺を思わせる)
これを知ったスー・リンが一人でカウンターへ来てウォッカを注文する。酒を飲むのは6年ぶりである。「アーニーに乾杯。ハイウェイの守護者」と叫ぶ。私を自由にいてほしかったと。

(アーニーの元妻スー・リン)
ベスはアーニーの勘定書も含めて渡す。オーナーのトラヴィスは「彼は君の夫だから」という。スー・リンは憮然として出て行く。トラヴィスはベスに「無事に帰れるよう、ついて行ってやれ」と指示する。
二人きりになったベスはスー・リンより、いろいろ話を聞く。
17歳の時、警官の彼に恋をした。今まで、彼の死を何度も空想した。ただ私を放してほしかった。「彼とここで(この場所)出合ったのよ」とスー・リンは呟く。
翌日、ベスが昼間働いているレストランへ、スー・リンが現れ、アーニーの分も支払う。そして、彼の伝票(勘定書)を飾ってと言い残し、この町を去っていった。(彼女にとって、町を出るのは死と同じ)
一方、ジェレミーの元にはベスから定期的に手紙が来ていた。この時には、電話作戦は止めていた。(距離が離れていても、通じ合うものを感じたからであろう)
ジェレミーのカフェへ昔の彼女・カティアが尋ねてきた。今でも自分でタバコを巻くのを見て、昔と変わらないという。「今でも鍵あるの」「もう行かないと」「なぜ来たの」「あの頃の気持を思い出せるかと」「バイ、ジェレミー」「バイ、カティア」
ベスは、カジノで働いている。女ギャンブラーのレスリーは、負けて外へ出てきた。外のベンチでハンバーガーを食べているベスを見て話かけてくる。「何の為に働いているの」「自動車を買う金を貯めるため」「どのくらい貯まった?」「2300ドルぐらい」ここでレスリーの目が光る。
(251日目、NYから5603マイル)

(妖しげな女ギャンブラーのレスリー)
2200ドルでゲームに戻れるので貸してほしいと。もし負けたら、そこのジャガーの新車をあげると。
しばらく迷った末、ベスは「いいわ」と返事する。結果は、レスリーの負けであった。車あげるから乗せていってと言われ、ベスはレスリーを乗せ、ルート66をベガスへ走る。

(車でベガスにいる父親へ向うレスリーとベス)
道中ドライブインで宿泊し、いろいろ話を聞く。自動車電話に病院から父親が危篤の知らせが届くが、レスリーは冗談だと言って取り合わない。そして病院に着き、ベスだけ病室へ行く。レスリーの父親は亡くなった後だった。
これを知った娘のレスリーは号泣する。そして、車は上げられないという。父親もギャンブラーでレスリーはそれを見て育った。ジャガーは父から盗んだものだったが、後で登録証を見ると名義がレスリーになっていた。ゆえに車は私が乗り潰さなければならない、という理由であった。
ベスを騙したのであるが、「人を信じるな」ということを教えた。しかし、中古車を買うお金を出してくれ、ベスは無事に自動車を手に入れることができた。(本当は、レスリーは最後のギャンブルに勝っていて、ベスに嘘をついた)
エリザベスは、アーニーやスー・リンの関係、レスリーと父親の関係など多くを観察し人間的に成長していった。他人の姿は自分を映す鏡だと悟る。(日本の格言:「人のふり見て、我が振り直せ」に通じる)
そして、クライマックスの300日目、NYにて
エリザベスは、帰ってきて、元彼の部屋を見上げる。そこには、貸部屋の看板が上がっていた。
そして、ジェレミーのカフェに入っていく。ジェレミーは知っていたかのようにカウンターに予約席を用意していた。鍵を入れる瓶は置かれていなかった。「鍵は返せる人には返す。元彼女の鍵は捨てた」と言った。
ステーキを食べ、ブルーベリー・パイを食べた後、300日前の最後の映像が流れる。エリザベスはあの時、酔っていて覚えてないというが。
長いショットのキス・シーンである。ジェレミーが唇についたクリームを舐めただけではなく、その後、熱烈なキスに変化していったのである。(多くの女性は、こんなキスを夢見るでしょうね)


(ジェレミーの首に手を回す所に注目)
「1年近くかかったが、(愛の成就は)反対側に立つ人次第」という意味深な言葉でエンド。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間前に、ノラ・ジョーンズのCDアルバムを借りてきました。

●「ノラ・ジョーンズ」 東芝EMI
1.Don't Know Why (Jesse Harris) 3:06
2.Seven Years (Lee Alexander) 2:25
3.Cold Cold Heart (Hank Williams) 3:38
4.Feelin' The Same Way (Lee Alexander) 2:56
5.Come Away With Me (Norah Jones) 3:17
6.Shoot The Moon (Jesse Harris) 3:56
7.Turn Me On (J.D.Loudermilk) 2:34
8.Lonestar (Lee Alexander) 3:06
9.I've Got To See You Again (Jesse Harris) 4:13
10.Painter Song (Lee Alexander/ J.C.Hopkins) 2:41
11.One Flight Down (Jesse Harris) 3:04
12.Nightingale (Norah Jones) 4:12
13.The Long Day Is Over (Jesse Harris/ Norah Jones) 2:44
14.The Nearness Of You (Hoagy Carmichael/ Ned Washington) 3:07
15.What Am I To You (Norah Jones) 2:42
この映画は第60回カンヌ国際映画祭のオープニング作品になり、高評価の映画です。監督は、恋愛映画の巨匠ウォン・カーウァイの初めての英語作品です。又主演には、グラミー賞8冠の歌姫「ノラ・ジョーンズ」が初主演としてのデビュー作です。また回りを囲むキャストには、豪華俳優が出演しており、名前を見ただけでも、映画を観たくなる作品です。
ウォン・カーウァイの作品を見るのは初めてですが、素晴らしい恋愛物を撮ると聞いていましたが、噂通りでしたね。心(特に女心)を酔わすような、幻想的な映像、洒落たセリフ、象徴的なカット、それに何と言っても効果的音楽ですね。
この映画のラストのキスシーンは、歴史に残るような名場面でしたね。妻は、心酔して満足して帰りましたね。
●「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
2007年/フランス・香港/95分
提供:ブロック2ピクチャーズ。 配給:アスミック・エース
日本公開:2008年3月22日
監督:ウォン・カーウェイ
(キャスト)
・エリザベス(ノラ・ジョーンズ)失恋してアメリカ横断の旅に出る。
・ジェレミー(ジュード・ロウ)カフェのオーナー。エリザベスに親切
・アーニー(デイヴィッド・ストラザーン)アル中の警察官。元妻に付き纏う
・スー・リン(レイチェル・ワイズ)アーニーの元妻。開放されたくアーニーより離れる
・レスリー(ナタリー・ポートマン)女ギャンブラー
(ストーリー)
ニューヨークでカフェを経営しるジェレミーは、注文の種類でお客を記憶している。この店へ最近出入するエリザベス。(彼氏がこの店の向かいのビルの2階に住んでいて、彼氏には新しい彼女ができた)
エリザベスは、彼氏の事をジェレミーに聞くと、ジェレミーは注文の品を言う。一人では食べきれない量である。ガールフレンドの分も注文したと知ったエリザベスは、彼氏の合鍵をジェレミーに渡し、「彼が捜しに来たら鍵を返して」と言う。(心の底では、捜しに来ることを望んで)。ジェレミーが何か伝言はと聞くと、「バカヤローと伝言して」と言って出て行く。
次の日も、このカフェへ来たエリザベスは、ジェレミーに「鍵を取りに来た?」と聞くが、返事は「まだ」であった。エリザベスはジェレミーに聞く、「彼女美しい?」と。ジェレミーは「一緒にはポークチップを食べたくない」と答える。(エリザベスはほっとする。何と洒落たセリフ)

(カフェのカウンターでパイを食べるエリザベス)
エリザベスは失恋の想いを断ち切れないでいる。誰かと話たくなっていた。ちょうどジェレミーが上手に聞いてくれた。
大きなガラス瓶の中に、沢山の鍵が入っていた。(エリザベスのように客から渡された鍵である。)捨てたら、ドアは永遠に閉じたままなので、捨てないとジェレミーは言う。
他の商品は、売り切れるがブルーベリー・パイだけは、売れ残ると差し出す。(実際はジェレミーがエリザベスの為に残している)。エリザベスは一切れ頂戴と言って食べる。
瓶の中の一つ一つの鍵の物語をジェレミーから聞く。その中に、ジェレミーの彼女の鍵もあった。

(ジェレミーが作るブルーベリー・パイ)
ジェレミーの彼女は、鍵を集めるのが趣味で、夕焼けを追って、彼の前から姿を消したとの事。エリザベスは「鍵を返して」と言って、鍵を受取り帰る。(彼の気持ちを再確認して、気持ちの整理の為)
ジェレミーのカフェでは防犯カメラがあり、これを調整中に客同士の喧嘩に巻き込まれ、鼻血を出す。
エリザベスも鼻血を出してカフェに入ってくる。エリザベスは治安の悪いブロンクスまで地下鉄で行ってしまい絡まれたと言う。(私は彼氏と喧嘩したと想像した)。「あなたは?」の問いに、ジェレミーは「チョコを食べ過ぎた」と答える。(粋な会話だと私は思いましたね)
ジェレミーはカメラは、見逃したことを見る、日記のようなものと言い、エリザベスに過去のフィルムを見せる。(多分、彼氏とガールフレンドが写っていたであろう)
これを観たエリザベスは、ワインを飲み、やけ食いをし、カウンターで居眠りをする。(この時、流れる失恋を思わせるやるせない音楽が効果的です)
寝ているエリザベスの唇の周りには、ケーキのクリームが着いている。ジェレミーは、そっとそれを舐め取ってやる。その後、エリザベスは鍵を残して消える。(最後に彼のいる窓を見上げて、彼女が一緒な所を確認して、長距離バスに乗る)
エリザベス(ベス)は、メンフィスの居酒屋で忙しく働いている。忙しさで彼のことが忘れられると思って。
酔っ払いのアーニーにベスは閉店の為、勘定書を渡す。今夜は最後の酒と分からぬ言葉をいう。

(警官の姿のアーニー)
ある日、アル中のアーニーが飲んでいる所へ、元妻のスー・リンが入ってくる。アーニーは纏わり着くがスー・リンは振り払って出て行く。外には新しい男が待っていた。
ベスは、アーニーに「酒を控えようと思ったことは」と聞く。アーニーは沢山のチップを出し、「俺は白いチップの王様だ」と呟く。(禁酒を破るごとに白いチップを施設から渡される。)アルコール依存症に白いチップなら、私の依存症はブルーベリー・パイとベスは思った。
一方、ジェレミーの元へは、最後の日から57日目、NYから1120マイルと書かれたベスからの手紙を受けとっていた。差出がメンフィスなので、ベスが働いていそうな店舗へ片っ端から電話したが捕まらない。ベスからの手紙には、近況が書かれていた。
居酒屋では、アーニーとスー・リンが言い争っている。「スー・リン、捨てないで。人生をやり直したい」とアーニーが訴えるが、スー・リンは受付ないで、出て行こうとする。すると、アーニーは銃をスー・リンに向ける。スー・リンは「終わったのよ」と言って、出て行く。アーニーは銃を撃てず、号泣する。(この場面に流れる音楽も優れ物でした)
(これからネタバレします。映画観る予定の人は読まないでね)
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(ネタバレです)
アーニーは、チップを全部捨ててくれと言い残して帰っていく。スリップ事故(交通)でアーニーは死亡した。(覚悟の自殺を思わせる)
これを知ったスー・リンが一人でカウンターへ来てウォッカを注文する。酒を飲むのは6年ぶりである。「アーニーに乾杯。ハイウェイの守護者」と叫ぶ。私を自由にいてほしかったと。

(アーニーの元妻スー・リン)
ベスはアーニーの勘定書も含めて渡す。オーナーのトラヴィスは「彼は君の夫だから」という。スー・リンは憮然として出て行く。トラヴィスはベスに「無事に帰れるよう、ついて行ってやれ」と指示する。
二人きりになったベスはスー・リンより、いろいろ話を聞く。
17歳の時、警官の彼に恋をした。今まで、彼の死を何度も空想した。ただ私を放してほしかった。「彼とここで(この場所)出合ったのよ」とスー・リンは呟く。
翌日、ベスが昼間働いているレストランへ、スー・リンが現れ、アーニーの分も支払う。そして、彼の伝票(勘定書)を飾ってと言い残し、この町を去っていった。(彼女にとって、町を出るのは死と同じ)
一方、ジェレミーの元にはベスから定期的に手紙が来ていた。この時には、電話作戦は止めていた。(距離が離れていても、通じ合うものを感じたからであろう)
ジェレミーのカフェへ昔の彼女・カティアが尋ねてきた。今でも自分でタバコを巻くのを見て、昔と変わらないという。「今でも鍵あるの」「もう行かないと」「なぜ来たの」「あの頃の気持を思い出せるかと」「バイ、ジェレミー」「バイ、カティア」
ベスは、カジノで働いている。女ギャンブラーのレスリーは、負けて外へ出てきた。外のベンチでハンバーガーを食べているベスを見て話かけてくる。「何の為に働いているの」「自動車を買う金を貯めるため」「どのくらい貯まった?」「2300ドルぐらい」ここでレスリーの目が光る。
(251日目、NYから5603マイル)

(妖しげな女ギャンブラーのレスリー)
2200ドルでゲームに戻れるので貸してほしいと。もし負けたら、そこのジャガーの新車をあげると。
しばらく迷った末、ベスは「いいわ」と返事する。結果は、レスリーの負けであった。車あげるから乗せていってと言われ、ベスはレスリーを乗せ、ルート66をベガスへ走る。

(車でベガスにいる父親へ向うレスリーとベス)
道中ドライブインで宿泊し、いろいろ話を聞く。自動車電話に病院から父親が危篤の知らせが届くが、レスリーは冗談だと言って取り合わない。そして病院に着き、ベスだけ病室へ行く。レスリーの父親は亡くなった後だった。
これを知った娘のレスリーは号泣する。そして、車は上げられないという。父親もギャンブラーでレスリーはそれを見て育った。ジャガーは父から盗んだものだったが、後で登録証を見ると名義がレスリーになっていた。ゆえに車は私が乗り潰さなければならない、という理由であった。
ベスを騙したのであるが、「人を信じるな」ということを教えた。しかし、中古車を買うお金を出してくれ、ベスは無事に自動車を手に入れることができた。(本当は、レスリーは最後のギャンブルに勝っていて、ベスに嘘をついた)
エリザベスは、アーニーやスー・リンの関係、レスリーと父親の関係など多くを観察し人間的に成長していった。他人の姿は自分を映す鏡だと悟る。(日本の格言:「人のふり見て、我が振り直せ」に通じる)
そして、クライマックスの300日目、NYにて
エリザベスは、帰ってきて、元彼の部屋を見上げる。そこには、貸部屋の看板が上がっていた。
そして、ジェレミーのカフェに入っていく。ジェレミーは知っていたかのようにカウンターに予約席を用意していた。鍵を入れる瓶は置かれていなかった。「鍵は返せる人には返す。元彼女の鍵は捨てた」と言った。
ステーキを食べ、ブルーベリー・パイを食べた後、300日前の最後の映像が流れる。エリザベスはあの時、酔っていて覚えてないというが。
長いショットのキス・シーンである。ジェレミーが唇についたクリームを舐めただけではなく、その後、熱烈なキスに変化していったのである。(多くの女性は、こんなキスを夢見るでしょうね)


(ジェレミーの首に手を回す所に注目)
「1年近くかかったが、(愛の成就は)反対側に立つ人次第」という意味深な言葉でエンド。
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1週間前に、ノラ・ジョーンズのCDアルバムを借りてきました。

●「ノラ・ジョーンズ」 東芝EMI
1.Don't Know Why (Jesse Harris) 3:06
2.Seven Years (Lee Alexander) 2:25
3.Cold Cold Heart (Hank Williams) 3:38
4.Feelin' The Same Way (Lee Alexander) 2:56
5.Come Away With Me (Norah Jones) 3:17
6.Shoot The Moon (Jesse Harris) 3:56
7.Turn Me On (J.D.Loudermilk) 2:34
8.Lonestar (Lee Alexander) 3:06
9.I've Got To See You Again (Jesse Harris) 4:13
10.Painter Song (Lee Alexander/ J.C.Hopkins) 2:41
11.One Flight Down (Jesse Harris) 3:04
12.Nightingale (Norah Jones) 4:12
13.The Long Day Is Over (Jesse Harris/ Norah Jones) 2:44
14.The Nearness Of You (Hoagy Carmichael/ Ned Washington) 3:07
15.What Am I To You (Norah Jones) 2:42
ウォン・カーウァイとジュードという所が想像出来ませんが
これは見たいですね~!
ジュードはステキですね…AIで一目惚れしたのを覚えています。
by フェイリン (2008-04-09 22:15)
とっても雰囲気の良い映画でしたね。
ラストのキスシーンは映画史に残るかも知れませんね。
by 江戸うっどスキー (2008-04-10 01:27)
ノラ・ジョーンズは以前より歌は聴いていたのですが、
こんな素敵な映画に出るとは思いもよりませんでした。
ウォン・カーウァイは歌手を女優としてよく使いますね。
ノラもこれからは女優を続けるのでしょうね~
by collet (2008-04-10 14:00)
xml-xslさん、 nice有難うございます。
by たいちさん (2008-04-10 18:16)
フェイリンさん、 niceとコメント有難うございます。
ジュード・ロウは、雰囲気のある俳優ですね。女性に人気がある理由が分かるような気がしますね。
by たいちさん (2008-04-10 18:19)
江戸うっどスキーさん、 niceとコメント有難うございます。
まったりとした人を酔わすような映像は、監督の手腕でしょうね。脇役の好演技に助けられて、ノラ・ジョーンズが輝きましたね。
by たいちさん (2008-04-10 18:23)
colletさん、 niceとコメント有難うございます。
この映画の音楽は、大きな役割を演じていましたね。ノラも最初の世間知らずの小娘役から、成熟した女性の役まで、上手く演じていたと思いますね。次作も期待します。
by たいちさん (2008-04-10 18:29)
ぽりぽりさん、 nice有難うございます。
by たいちさん (2008-04-12 00:58)
ノラジョーンズのこのファーストアルバム懐かしいです。Don't Know Whyのメロディが頭の中で蘇りました。
この映画は知ってる俳優さんたちがたくさん出るし、ロードムービーなので観たいなと思ってましたが、別の方のレビューを読むと「そんなに良くなくてガッカリ」と書かれてたのでそうなのか・・・と思ってましたがたいちさんは良かったみたいですね。私はDVDが出たら見ようと思ってます。
by naonao (2008-04-12 14:36)
naonaoさん、 niceとコメント有難うございます。
主演のノラの演技がもう一つだと、みる人が多いですね。それは仕方ないですね。だってノラは歌手ですから。しかし、映画の中で女優として、確実に成長しているのが見えるので、応援したくなりましたね。
by たいちさん (2008-04-14 10:24)
pianoさん、 nice有難うございます。
by たいちさん (2008-04-14 10:25)